ブラックホールは通常、星を飲み込む際に明るいフレアの光を放ちます。そのほとんどは1回限りのイベントですが、現在、天文学者が114日ごとに時計仕掛けのように発火する銀河系外のオールドフェイスフルを発見しました。
フレアは約5億7000万光年離れた銀河から来ており、この現象を発見することができた全天自動捜索システム(ASAS-SN)にちなんで、ASASSN-14koと名付けられました。最初の検出は2014年11月14日に発生し、当時はありふれた超新星であると推定されていました。
しかし、数年後に天文学者はASAS-SNデータを調べ、同じ場所で発生した17の他のフレアを発見しました。そして奇妙なことに、それらはそれぞれ114日間隔で起こり、この種の現象に対して規則的なパターンを発見しました。
それは、フレアが超大質量ブラックホールの周りの軌道に閉じ込められた星から来ていると仮定しました。
地球が太陽の周りを回る様なほぼ円形の経路ではなく、この星の軌道は非常に長くなり、ブラックホールの近く通るとすぐに遠くに離れるといった軌道を114日ごとに繰り返します。
天文学者は、過去に潮汐破壊現象として知られるこれらの種類のフレアをたくさん発見し、通常は星が引き裂かれる前に一度だけ発生する現象だと認知していますが、この様な予測可能なサイクルでのイベントは新しい発見です。
「ブラックホールによる多くの現象を見ており、本当に興奮しますが、ブラックホールがこのようなことをするのは見たことがありません」と研究者であるパトリック・ヴァレリーは言っています。「それは、銀河系外のオールドフェイスフルのようなものである。」
この現象を検証するために研究者たちは、フレアが見られる2020年の日付を予測しました:5月17日、9月7日、12月26日。
そして、その時に確かにフレアを観測することができました。
この発見は、天文学者が宇宙で天文イベントをより多く発見するのに役立つだけでなく、星やブラックホールについての新しいヒントとなる可能性があります。
この研究は、AstrophysicalJournalに掲載される予定です。
参照:オハイオ州立大学
https://news.osu.edu/old-faithful-cosmic-eruption-shows-black-hole-ripping-at-star